第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和8年度(2026年)上期
問60 (機械 問16(b))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和8年度(2026年)上期 問60(機械 問16(b)) (訂正依頼・報告はこちら)

図1は三相ダイオード全波整流器を示している。入力電圧va、vb、vcは①式のとおりであるとき、出力電圧vdは図2の太線に示すように線間電圧の絶対値のうち最も高いものが出力される。次の問に答えよ。
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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢は「0.14」です。

この問題は、三相ダイオード全波整流器の出力電圧に含まれる脈動率を求める計算問題です。

脈動とは、整流後の直流電圧が一定にならず、周期的に上下することです。

脈動率δdは、出力電圧の最大値と最小値の差を、平均値で割った値で求められます。

三相ダイオード全波整流器では、交流の1周期に6回の電圧の山が現れるため、6パルス整流とも呼ばれます。

計算手順

<脈動率の公式>

問題の図に示された脈動率δdは、次の式で求められます。

δd=(vₐₓ-vₘᵢₙ)/Vd

ここで、

・δd:脈動率

・vₐₓ:出力電圧の最大値[V]

・vₘᵢₙ:出力電圧の最小値[V]

・Vd:出力電圧の平均値[V]

です。

※vₐₓは最大値、vₘᵢₙは最小値を表すものとします。

<出力電圧の最大値を求める>

三相全波整流器では、出力電圧の最大値は線間電圧の最大値になります。

相電圧の実効値をVsとすると、線間電圧の実効値は3Vsです。

正弦波の最大値は実効値の2倍なので、

vₐₓ=2×3Vs

=√6Vs

となります。

<出力電圧の最小値を求める>

図2では、出力電圧がπ/3[rad]ごとに次の線間電圧へ切り替わります。

そのため、1つの山の中心からπ/6[rad]だけ離れた位置で、出力電圧が最小になります。

したがって、

vₘᵢₙ=6Vs×cos(π/6)

cos(π/6)=3/2なので、

vₘᵢₙ=(3/2)√6Vs

となります。

<出力電圧の平均値を求める>

出力電圧の平均値Vdは、1つの山の範囲で電圧を積分して求めます。

三相全波整流器では、1つの山の幅がπ/3[rad]なので、

Vd=(3/π)×∫₋π/₆^π/₆ 6Vs cosθ dθ

積分すると、

Vd=(36Vs/π)×[sin(π/6)-sin(-π/6)]

sin(π/6)=1/2

sin(-π/6)=-1/2

なので、

Vd=3√6Vs/π

となります。

<脈動率を求める>

求めた最大値、最小値、平均値を公式に代入します。

δd=(vₐₓ-vₘᵢₙ)/Vd

={6Vs-(3/2)6Vs}/(36Vs/π)

分子と分母に共通する√6Vsを約分すると、

δd=(1-3/2)×π/3

となります。

π≒3.1416、3≒1.732を代入すると、

δd≒(1-0.866)×3.1416/3

≒0.1403

したがって、脈動率は約0.14です。

選択肢2. 0.14

正しい選択肢です。

出力電圧の最大値、最小値、平均値は、それぞれ次のようになります。

最大値:6Vs

最小値:(3/2)√6Vs

平均値:36Vs/π

これらを脈動率の公式に代入すると、

δd=(1-3/2)×π/3

≒0.14

となります。

まとめ

三相ダイオード全波整流器では、線間電圧の高い部分を順番につなげることで、直流電圧を取り出します。

ただし、平滑回路を使用しない場合、出力電圧には周期的な脈動が残ります。

今回の重要なポイントは、次のとおりです。

・出力電圧の最大値:6Vs

・出力電圧の最小値:(3/2)6Vs

・出力電圧の平均値:36Vs/π

・脈動率:δd=(最大値-最小値)/平均値

・計算結果:約0.14

脈動率が0.14ということは、出力電圧の最大値と最小値の差が、平均値の約14%であることを意味します。

特に、「三相全波整流器は1周期に6回の電圧の山が現れる」「脈動率は最大値と最小値の差を平均値で割る」という関係を覚えておきましょう。

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