第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和8年度(2026年)上期
問54 (機械 問12)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和8年度(2026年)上期 問54(機械 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

リチウムイオン二次電池と比較した電気二重層キャパシタの特徴に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
  • エネルギー密度[J/kg]が小さい。
  • 出力密度[W/kg]が大きい。
  • 充放電の繰り返しによる劣化のため、寿命が短い。
  • 自己放電による電圧の低下が速い。
  • 急速充電が可能である。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っている記述は「充放電の繰り返しによる劣化のため、寿命が短い。」です。

この問題は、電気二重層キャパシタとリチウムイオン二次電池の特徴の違いについて問われています。

電気二重層キャパシタは、電極と電解液の境界に電荷を蓄える蓄電装置です。

リチウムイオン二次電池とは異なり、主に化学反応を使わずに電気を蓄えるため、充放電を繰り返しても劣化しにくく、寿命が長いという特徴があります。

また、短時間で大きな電力を出し入れできますが、蓄えられるエネルギーは比較的少なくなります。

選択肢1. エネルギー密度[J/kg]が小さい。

適切な記述です。

エネルギー密度とは、単位質量当たりに蓄えられるエネルギーの大きさを表すものです。

単位はJ/kg(ジュール毎キログラム)です。

電気二重層キャパシタは、リチウムイオン二次電池と比べて、同じ質量で蓄えられるエネルギーが少ないため、エネルギー密度が小さくなります。

そのため、長時間にわたって電力を供給する用途には、あまり適していません。

選択肢2. 出力密度[W/kg]が大きい。

適切な記述です。

出力密度とは、単位質量当たりに取り出せる電力の大きさを表すものです。

単位はW/kg(ワット毎キログラム)です。

電気二重層キャパシタは、内部抵抗が小さく、短時間で大きな電流を流すことができます。

そのため、リチウムイオン二次電池と比べて、出力密度が大きいという特徴があります。

急に大きな電力が必要になる用途に適しています。

選択肢3. 充放電の繰り返しによる劣化のため、寿命が短い。

誤っている記述です。

電気二重層キャパシタは、主に電極表面への電荷の蓄積によって電気を蓄えます。

リチウムイオン二次電池のように、充放電のたびに電極内部で大きな化学的変化を起こすわけではありません。

そのため、充放電を繰り返しても劣化しにくく、充放電サイクル寿命が長いという特徴があります。

したがって、「寿命が短い」という部分が誤りです。

選択肢4. 自己放電による電圧の低下が速い。

適切な記述です。

自己放電とは、外部に電力を供給していなくても、蓄えた電気が少しずつ失われる現象です。

電気二重層キャパシタは、リチウムイオン二次電池と比べて自己放電が大きく、充電後に放置すると電圧が比較的速く低下するという特徴があります。

そのため、電気を長期間蓄えておく用途には、あまり適していません。

選択肢5. 急速充電が可能である。

適切な記述です。

電気二重層キャパシタは、電極と電解液の境界に電荷を蓄える仕組みなので、充電に伴う化学反応による制約が比較的小さくなります。

また、内部抵抗が小さいため、大きな電流を流すことができます。

そのため、リチウムイオン二次電池と比べて、短時間で充電できるという特徴があります。

まとめ

電気二重層キャパシタは、リチウムイオン二次電池と比べて、次のような特徴があります。

・エネルギー密度[J/kg]:小さいため、蓄えられるエネルギーは少なくなります。

・出力密度[W/kg]:大きいため、短時間で大きな電力を取り出せます。

・充放電サイクル寿命:長く、繰り返し充放電しても劣化しにくいです。

・自己放電:大きく、放置すると電圧が比較的速く低下します。

・充電速度:速く、急速充電が可能です。

特に、「エネルギー密度は小さいが、出力密度が大きく、充放電サイクル寿命が長い」という点が重要です。

なお、電気二重層キャパシタも、使用温度や電圧などの条件によって劣化するため、寿命が無制限というわけではありません。

リチウムイオン二次電池は長時間の電力供給に、電気二重層キャパシタは短時間での大きな電力の出し入れに適していると覚えておきましょう。

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