第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和8年度(2026年)上期
問38 (電力 問15(b))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和8年度(2026年)上期 問38(電力 問15(b)) (訂正依頼・報告はこちら)

下記の条件で運転する揚水発電所について、次の問に答えよ。
ただし、水の密度を1000kg/m3、重力加速度を9.8m/s2とする。
また、簡単のため、運転中の総落差、損失水頭、流量、効率は変わらないものとする。

総落差:H0=450m
発電時使用水量:Qg=50m3/s
揚水量:Qp=40m3/s
発電損失水頭:H0の3%
揚水損失水頭:H0の3%
発電運転時の発電機及び水車の効率合計(掛け算):ηgηt=90%
揚水運転時の電動機及びポンプの効率合計(掛け算):ηmηp=85%
発電運転時間:Tg=8時間

この揚水発電所について、発電運転8時間を行う場合の揚水所要時間[時間]と、揚水に使用した電力量を発電電力量に変換する変換効率[%]の組合せとして、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
  • 揚水所要時間:8  変換効率:72.0
  • 揚水所要時間:8  変換効率:76.5
  • 揚水所要時間:10  変換効率:72.0
  • 揚水所要時間:10  変換効率:74.2
  • 揚水所要時間:10  変換効率:76.5

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢は「揚水所要時間:10 変換効率:72.0」です。

この問題は、揚水発電所で8時間発電した場合に、使用した水をくみ上げるために必要な時間と、電力量の変換効率を求める計算問題です。

揚水発電所では、高い場所にある水を低い場所へ流して発電し、その水を再び高い場所へくみ上げます。

揚水所要時間は、発電に使用した水量を揚水量で割ることで求められます。

また、変換効率は、発電によって得られた電力量を、揚水に使用した電力量で割ることで求められます。

計算手順

<発電に使用した水量を求める>

発電時の使用水量Q₉は50m³/s、発電運転時間T₉は8時間です。

まず、8時間を秒に変換します。

8×3600=28800秒

発電に使用した水量は、

50×28800=1440000m³

となります。

したがって、発電に使用した水量は1440000m³です。

<揚水所要時間を求める>

揚水量Qₚは40m³/sです。

揚水所要時間は、発電に使用した水量を揚水量で割って求めます。

Tₚ=1440000÷40

=36000秒

これを時間に変換すると、

Tₚ=36000÷3600

=10時間

となります。

<発電電力量を求める>

前問で求めた発電出力は、約192500kWです。

電力量は、電力に運転時間を掛けて求めます。

発電電力量=発電出力×発電運転時間

=192500×8

=1540000kW・h

したがって、発電電力量は約1540000kW・hです。

<揚水に使用した電力量を求める>

前問で求めた揚水入力は、約213750kWです。

揚水所要時間は10時間なので、

揚水電力量=揚水入力×揚水所要時間

=213750×10

=2137500kW・h

したがって、揚水に使用した電力量は約2137500kW・hです。

<変換効率を求める>

変換効率は、次の式で求められます。

変換効率=発電電力量÷揚水電力量×100

数値を代入すると、

変換効率=1540000÷2137500×100

≒72.05%

となります。

したがって、変換効率は約72.0%です。

以上より、正しい組合せは、

揚水所要時間:10時間 変換効率:72.0%

となります。

選択肢3. 揚水所要時間:10  変換効率:72.0

正しい選択肢です。

揚水所要時間は、

50×8÷40=10時間

となります。

また、発電電力量と揚水電力量から変換効率を計算すると、

1540000÷2137500×100

≒72.0%

となります。

したがって、両方の値が計算結果と一致します。

まとめ

揚水発電所の揚水所要時間と変換効率を求めるには、水量、運転時間、発電出力、揚水入力の関係を理解することが重要です。

・発電に使用した水量:50×8×3600=1440000m³です。

・揚水所要時間:1440000÷40÷3600=10時間です。

・発電電力量:約192500×8=1540000kW・hです。

・揚水電力量:約213750×10=2137500kW・hです。

・変換効率:1540000÷2137500×100≒72.0%です。

なお、変換効率は、発電時と揚水時の落差や効率を使って直接求めることもできます。

変換効率=発電時の効率×揚水時の効率×発電時の有効落差÷揚水時の全揚程×100

=0.90×0.85×436.5÷463.5×100

≒72.0%

この式を使えば、発電出力や揚水入力を改めて計算しなくても変換効率を求められます。

特に、「揚水所要時間は水量から求める」「変換効率は発電電力量を揚水電力量で割る」「発電時と揚水時の損失水頭も考慮する」という3つのポイントを覚えておきましょう。

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