第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和8年度(2026年)上期
問37 (電力 問15(a))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和8年度(2026年)上期 問37(電力 問15(a)) (訂正依頼・報告はこちら)

下記の条件で運転する揚水発電所について、次の問に答えよ。
ただし、水の密度を1000kg/m3、重力加速度を9.8m/s2とする。
また、簡単のため、運転中の総落差、損失水頭、流量、効率は変わらないものとする。

総落差:H0=450m
発電時使用水量:Qg=50m3/s
揚水量:Qp=40m3/s
発電損失水頭:H0の3%
揚水損失水頭:H0の3%
発電運転時の発電機及び水車の効率合計(掛け算):ηgηt=90%
揚水運転時の電動機及びポンプの効率合計(掛け算):ηmηp=85%
発電運転時間:Tg=8時間

この揚水発電所について、発電出力[kW]と揚水入力[kW]の組合せとして、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
  • 発電出力:192500  揚水入力:201300
  • 発電出力:198500  揚水入力:207500
  • 発電出力:204400  揚水入力:201300
  • 発電出力:198500  揚水入力:213750
  • 発電出力:192500  揚水入力:213750

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢は「発電出力:192500 揚水入力:213750」です。

この問題は、揚水発電所の発電出力と揚水入力を求める計算問題です。

揚水発電所は、水を高い場所から低い場所へ流して発電し、電力に余裕があるときにはポンプを使って水を高い場所へくみ上げる設備です。

発電時と揚水時では、水の流れ方が反対になるため、損失水頭と効率の扱い方が異なります。

特に、発電時は損失水頭を引き、揚水時は損失水頭を加えることが重要です。

計算手順

<発電時の有効落差を求める>

発電時には、水が流れる途中でエネルギーが失われるため、総落差から損失水頭を引きます。

総落差H₀は450m、発電損失水頭は総落差の3%なので、

損失水頭=450×0.03=13.5m

となります。

したがって、有効落差Hは、

H=450-13.5

=436.5m

となります。

<発電出力を求める>

発電出力Pは、次の式で求められます。

P=ρgQHη/1000

ここで、

・ρ:水の密度=1000kg/m³

・g:重力加速度=9.8m/s²

・Q:発電時使用水量=50m³/s

・H:有効落差=436.5m

・η:発電機と水車の効率=0.90

です。

公式に数値を代入すると、

P=1000×9.8×50×436.5×0.90÷1000

=192496.5kW

となります。

したがって、発電出力は約192500kWです。

<揚水時の全揚程を求める>

揚水時には、水を高い場所へくみ上げるため、総落差に加えて配管などで失われるエネルギーも補う必要があります。

そのため、総落差に損失水頭を加えます。

揚水損失水頭は総落差の3%なので、

損失水頭=450×0.03=13.5m

となります。

したがって、全揚程Hは、

H=450+13.5

=463.5m

となります。

<揚水入力を求める>

揚水入力Pは、次の式で求められます。

P=ρgQH/(1000η)

ここで、

・ρ:水の密度=1000kg/m³

・g:重力加速度=9.8m/s²

・Q:揚水量=40m³/s

・H:全揚程=463.5m

・η:電動機とポンプの効率=0.85

です。

公式に数値を代入すると、

P=1000×9.8×40×463.5÷(1000×0.85)

=181692÷0.85

≒213755kW

となります。

したがって、揚水入力は約213750kWです。

以上より、正しい組合せは、

発電出力:192500kW 揚水入力:213750kW

となります。

選択肢5. 発電出力:192500  揚水入力:213750

正しい選択肢です。

発電時は、総落差から損失水頭を引き、効率90%を掛けます。

発電出力=1000×9.8×50×436.5×0.90÷1000

≒192500kW

揚水時は、総落差に損失水頭を加え、効率85%で割ります。

揚水入力=1000×9.8×40×463.5÷(1000×0.85)

≒213750kW

したがって、両方の値が計算結果と一致します。

まとめ

揚水発電所の発電出力と揚水入力を求めるには、損失水頭と効率の扱い方の違いを理解することが重要です。

・発電時の有効落差:総落差450mから損失水頭13.5mを引いた436.5mです。

・発電出力:有効落差を使い、効率90%を掛けて求めると約192500kWです。

・揚水時の全揚程:総落差450mに損失水頭13.5mを加えた463.5mです。

・揚水入力:全揚程を使い、効率85%で割って求めると約213750kWです。

特に、「発電時は損失水頭を引いて効率を掛ける」「揚水時は損失水頭を加えて効率で割る」という違いを覚えておきましょう。

なお、問題にある発電運転時間8時間は、今回の出力と入力を求める計算には使用しません。

発電電力量などを求める場合には、電力[kW]×運転時間[h]=電力量[kW・h]という関係を利用します。

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