第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和8年度(2026年)上期
問21 (理論 問18(a))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和8年度(2026年)上期 問21(理論 問18(a)) (訂正依頼・報告はこちら)

図1のトランジスタによる小信号増幅回路について、次の問に答えよ。
ただし、各抵抗は、RA=100kΩ、RB=600kΩ、RC=5kΩ、RD=1kΩ、Ro=200kΩである。C1、C2は結合コンデンサで、C3はバイパスコンデンサである。また、VCC=12Vは直流電源電圧、Vbe=0.6Vはベース−エミッタ間の直流電圧とし、vi[V]は入力小信号電圧、vo[V]は出力小信号電圧とする。

小信号増幅回路の直流ベース電流Ib[A]が抵抗RA、RCの直流電流IA[A]やIC[A]に比べて十分に小さいものとしたとき、コレクタ−エミッタ間の直流電圧Vce[V]の値として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

正しい選択肢は「5.3」です。

この問題は、トランジスタのコレクタとエミッタの間にかかる直流電圧を求める計算問題です。

コレクタ−エミッタ間電圧Vceは、コレクタ電圧Vcからエミッタ電圧Veを引くことで求められます。

また、直流回路ではコンデンサに電流が流れないため、C₁、C₂、C₃は回路から取り除いて考えます。

計算手順

<ベース電圧を求める>

ベース電流Ibは十分に小さいため、無視できます。

そのため、抵抗RAとRBによる分圧を考えます。

ベース電圧Vbは、

Vb=Vcc×RA/(RA+RB)

=12×100/(100+600)

≒1.71V

となります。

<エミッタ電圧を求める>

ベース−エミッタ間電圧Vbeは0.6Vなので、エミッタ電圧Veは、

Ve=Vb-Vbe

=1.71-0.6

≒1.11V

となります。

<エミッタ電流を求める>

エミッタ側の抵抗RDは1kΩです。

オームの法則より、

Ie=Ve/RD

=1.11/1000

≒1.11mA

となります。

ベース電流は十分に小さいため、コレクタ電流Icとエミッタ電流Ieはほぼ等しいと考えられます。

したがって、

Ic≒Ie≒1.11mA

です。

<コレクタ電圧を求める>

コレクタ側の抵抗RCは5kΩです。

抵抗RCで生じる電圧降下は、

Ic×RC≒1.11×5=5.55V

となります。

電源電圧12Vからこの電圧を引くと、

Vc=12-5.55

≒6.45V

となります。

<コレクタ−エミッタ間電圧を求める>

コレクタ−エミッタ間電圧Vceは、

Vce=Vc-Ve

=6.45-1.11

≒5.34V

となります。

したがって、最も近い値は5.3Vです。

選択肢2. 5.3

正しい選択肢です。

コレクタ電圧は約6.45V、エミッタ電圧は約1.11Vです。

Vce=6.45-1.11≒5.34V

となるため、5.3Vが最も近い値です。

まとめ

トランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧を求めるには、ベース電圧、エミッタ電圧、コレクタ電圧の順に計算することが重要です。

・ベース電圧Vbは、抵抗RAとRBによる分圧から約1.71Vとなります。

・エミッタ電圧Veは、ベース電圧から0.6Vを引いて約1.11Vとなります。

・エミッタ電流とコレクタ電流は、どちらも約1.11mAです。

・コレクタ電圧Vcは、電源電圧から抵抗RCによる電圧降下を引いて約6.45Vとなります。

・コレクタ−エミッタ間電圧Vceは、約5.3Vとなります。

特に、Vce=Vc-Veという関係を覚えておきましょう。

なお、今回のように直流電圧を求める場合は、コンデンサを電流が流れない状態(開放)として扱うことも大切です。

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02

求めたい「コレクタ・エミッタ間電圧 Vce」は、次の引き算で求められます。

Vce = Vc - Ve

(Vc はコレクタの電圧、Ve はエミッタの電圧です)

直流を考えるときは、コンデンサ(C1, C2, C3)はすべて電気を通さない状態(開放)として無視します。

選択肢2. 5.3

電源 VCC から RB と RA を通ってアースに流れるルートを見ます。

ベース電流 Ib は非常に小さいため無視すると、RB と RA で電源電圧 VCC = 12V を分圧していることになります。

分圧の法則より、ベースの電位 Vb は次のように計算できます。

Vb = VCC × RA / (RA + RB)

Vb = 12 × 100 / (100 + 600) = 12 / 7 = 約 1.71 V

 

ベースとエミッタ間の電圧降下が Vbe = 0.6V なので、エミッタの電圧 Ve はベース電圧よりも 0.6V 低くなります。

Ve = Vb - Vbe

Ve = 1.71 - 0.6 = 1.11 V

 

エミッタ側にある抵抗 RD = 1 kΩ と、先ほど求めた Ve から、エミッタ電流 Ie を計算します。

Ie = Ve / RD = 1.11 V / 1 kΩ = 1.11 mA

トランジスタではベース電流がほぼ無視できるため、コレクタ電流 Ic とエミッタ電流 Ie はほぼ同じになります。

Ic ≒ Ie = 1.11 mA

この電流がコレクタ側の抵抗 RC = 5 kΩ を流れるため、そこで発生する電圧の降下を計算します。

電圧降下 = Ic × RC = 1.11 mA × 5 kΩ = 5.55 V

電源電圧 12V からこの電圧降下を引くことで、コレクタの電圧 Vc が求まります。

Vc = 12 - 5.55 = 6.45 V

 

最後に、コレクタとエミッタの間の電位差 Vce を求めます。

Vce = Vc - Ve

Vce = 6.45 - 1.11 = 5.34 V

計算結果は約 5.3V となるため、最も近い選択肢は 5.3になります。

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