第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和7年度(2025年)上期
問75 (法規 問11(a))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和7年度(2025年)上期 問75(法規 問11(a)) (訂正依頼・報告はこちら)

有効落差90m,最大使用水量が渇水量(1年のうち355日は確保できる水量)の2倍、水車及び発電機の総合効率80%の流込式水力発電所がある。この発電所が利用している河川の流量Q[m3/s]が図のような年間流量曲線(日数dが90日以上の部分は、Q=−0.05d+25.5で表される。)であるとき、次の問に答えよ。ただし、水の密度を1,000kg/m3,重力加速度を9.8m/s2とする。

この発電所の年間可能発電電力量の値[GW・h]として、最も近いものを次の選択肢のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くためには、流込式水力発電所の発電量の式
「発電量W=効率η×密度p×重力加速度g×流量Q×有効落差H×時間[h]」

を用いて計算します。
渇水量はQ355=-0.05×d+25.5=-0.05×355+25.5=7.75[m3/s]となります。
最大使用水量Qmaxは渇水量の2倍なので、Qmax=2×7.75=15.5[m3/s]となります。
流込式発電所なので、河川の流量Q<Qmaxのときは河川流量Qで発電し、
河川の流量Q>QmaxのときはQmaxで発電します。
その分岐店、Q=Qmaxの日数は、Qmax=-0.05d+25.5より、15.5=-0.05d+25.5から
d=(25.5-15.5)/0.05=200[日]となります。
よって、d=0~200日はQ=15.5[m3/s]で発電、
d=200~365日はQ=-0.05d+25.5[m3/s]で発電します。

 

0~199日の発電量W1は
W1=0.8×1,000[kg/m3]×9.8[m/s2]×15.5[m3/s]×90[m]×200×24

=52.5[GW・h]となります。


200~365日の1日当たりの発電量は以下で計算できます。
0.8×1,000[kg/m3]×9.8[m/s2]×90[m]×165[日]×(-0.05d+25.5)
この式で200~365日までそれぞれ計算して足し合わせることで求められます。
一次関数なので、台形の公式で計算します。


200日の発電量は
0.8×1,000[kg/m3]×9.8[m/s2]×90[m]×(-0.05×200+25.5)×24≒0.262[GW・h]


365日の発電量は

0.8×1,000[kg/m3]×9.8[m/s2]×90[m]×(-0.05×365+25.5)×24≒0.123[GW・h]
となります。


よって、200~365日の発電量W2は
W2=(0.262+0.123)×165/2=31.8[GW・h]
となります。


よって、この発電所の年間可能発電電力量は
W1+W2=52.5+31.8=84.3[GW・h]
となります。

選択肢1. 47.9

この選択肢は誤りです。

選択肢2. 72.8

この選択肢は誤りです。

選択肢3. 84.3

この選択肢は正解です。

選択肢4. 94.5

この選択肢は誤りです。

選択肢5. 97.4

この選択肢は誤りです。

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02

流込式水力発電所では、河川流量が最大使用水量を上回る部分は

すべて発電に利用できるわけではありません。

実際に使用する水量は、

河川流量と最大使用水量のうち、少ない方となります。

 

1.渇水量を求める

渇水量は、1年のうち355日間は確保できる水量なので、

流量曲線の d=355 日における流量です。

d≥90 の範囲では、

Q=−0.05d+25.5

であるから、

Q355​=−0.05×355+25.5 =−17.75+25.5=7.75 m3/s

したがって、渇水量は、

7.75 m3/s​

です。

 

2.最大使用水量を求める

最大使用水量は渇水量の2倍なので、

Qmax​=2×7.75=15.5 m3/s

となります。

Qmax​=15.5 m3/s​

河川流量が15.5 m3/s を超えていても、

発電所で使用できる水量は15.5 m3/s までです。

 

3.最大使用水量と河川流量が等しくなる日数を求める

流量曲線の式に Q=15.5 を代入します。

15.5=−0.05d+25.5

0.05d=25.5−15.5=10

d=0.0510​=200

したがって、河川流量が最大使用水量と等しくなるのは、

d=200 日​

です。

実際の使用水量は、次のようになります。

q(d)=

​15.5 (​0≤d≤200)

−0.05d+25.5 (200≤d≤365)

​

なお、問題では d<90 の流量を表す式が示されていません。

しかし、90日目の流量が、

Q90​=−0.05×90+25.5=21 m3/s

であり、0~90日ではこれ以上の流量があります。

最大使用水量15.5 m3/s より大きいので、

0~90日の詳しい流量は計算に必要ありません。

 

4.年間に使用できる水量を流量曲線の面積から求める

①0~200日

最大使用水量15.5 m3/s を使用します。

A1​=15.5×200=3100

 

②200~365日

この期間は河川流量をそのまま使用できます。

365日目の流量は、

Q365​=−0.05×365+25.5 =−18.25+25.5=7.25 m3/s

したがって、200~365日の流量曲線の面積は台形として、

A2​=215.5+7.25​×(365−200) =222.75​×165 =11.375×165=1876.875

 

年間の使用水量に相当する流量曲線の面積は、

A=A1​+A2​ =3100+1876.875=4976.875(m3/s)⋅日

です。

 

5.水力発電出力を求める

水力発電所の出力は、

P=ρgQHη

で求められます。

 

ここで、

ρ=1000 kg/m3

g=9.8 m/s2

H=90 m

η=0.80

なので、

P=1000×9.8×Q×90×0.80 =705600Q W =0.7056Q MW

すなわち、流量1 m3/s 当たりの発電出力は、0.7056 MWです。

 

6.年間可能発電電力量を求める

流量曲線の面積 4976.875 は「流量×日数」なので、

24時間を掛けて電力量に変換します。

E=0.7056×4976.875×24 =84280.392 MW⋅h

これをGW・hに直すと、

E=100084280.392​ =84.280392 GW⋅h

したがって、最も近い値は、84.3 GW⋅hです。

選択肢3. 84.3

解説より、最も近いこの値が答えとなります。

まとめ

この問題で重要なのは、流量曲線全体の面積をそのまま使わないことです。

最大使用水量は15.5 m3/s なので、

0~200日:15.5 m3/s で頭打ち

200~365日:河川流量をそのまま使用

として面積を求めます。

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