第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和7年度(2025年)上期
問46 (機械 問4)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和7年度(2025年)上期 問46(機械 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

一般的な三相かご形誘導電動機がある。
出力が大きい定格運転条件では、誘導機の等価回路の電流は、「二次電流>>励磁電流」であるから、励磁回路を省略しても特性をほぼ表現できる。さらに、「二次抵抗による電圧降下>>その他の電圧降下」となるので、一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても、おおよその特性を検討できる。
このような電動機でトルク一定負荷の場合に、電流80Aの定格運転から電源電圧と周波数を共に5%下げて回転速度を少し下げた。このときの電動機の電流の値[A]として、最も近いものを次の選択肢のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、三相かご形誘導電動機を簡略化した等価回路を用い、電源電圧と周波数を同時に低下させた場合の電流変化を考えるものです。
定格付近の運転では、二次電流が励磁電流より十分大きいため励磁回路を省略でき、さらに二次抵抗による電圧降下が支配的となるため、一次抵抗や漏れリアクタンスも無視して考えます。
この条件下では、誘導電動機のトルクは空隙磁束と二次電流に依存し、空隙磁束は電源電圧と周波数の比に比例します。

選択肢1. 72

電源電圧と周波数を同時に5%下げると、電圧と周波数の比は変化しないため、空隙磁束は一定に保たれます。

トルク一定負荷では必要なトルクも変わらないため、二次電流はほぼ一定となります。

よって電流が大きく減少することはありません。
この選択肢は誤りです。

選択肢2. 76

電流は電源条件の変化に対して大きくは変動しませんが、空隙磁束が一定に保たれるため、定格時とほぼ同じ値になります。

この値まで低下することはありません。
この選択肢は誤りです。

選択肢3. 80

電源電圧と周波数を同時に低下させると、電圧と周波数の比が一定となり、空隙磁束は一定に保たれます。

トルク一定負荷では必要トルクが変わらないため、二次電流、ひいては電動機電流もほぼ一定となります。
したがって、電流は定格時とほぼ同じ80Aとなります。
この選択肢は正解です。

選択肢4. 84

電圧と周波数を下げているため、空隙磁束が増加することはなく、電流が増加する理由はありません。
この選択肢は誤りです。

選択肢5. 88

電源条件を下げて運転しているにもかかわらず、定格時より大きな電流が流れることは、この簡略化した等価回路の条件では考えられません。
この選択肢は誤りです。

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02

誘導電動機の等価回路は、下図「等価回路1」のように表されます。

r1,x1 :一次側抵抗と一次側漏れリアクタンス

r2:二次側抵抗

x2: 二次側漏れリアクタンス

r3,x3: 励磁回路
 

「二次電流>>励磁電流」 より励磁回路 r3,x3は省略可能で、

「二次抵抗による電圧降下>>その他の電圧降下」 よりx1,x2,r1も省略可能となり、

簡略化された等価回路は、「等価回路2」 となります。

また、Zは、すべりsとすると Z = (1-s)/s×r2 となります。
 

ここで、線間電圧をVとしたとき、相電圧は V / √3、回路全体の抵抗は r2 + (1-s)/s×r2  =r2 / s なので、

回路に流れる電流は I = sV / (√3 × r2) です。

 

入力電力は、P = 3 × I2 ×(r2 + Z) = 3 × (sV / (√3 × r2) 2 × r2 / s = sV2 / r2 となります。

また、同期速度は Ns = 120×f / p         f:周波数、p:極数となり、これより同期角速度ωs は

ωs = 2×π×Ns / 60 = 4πf / p となります。

 

ここで、実際の電動機の出力Pmおよび実回転速度ωmは すべりsの分だけ小さくなり、

P : Pm = 1 : 1- s となり、P = Pm / (1 - s) となります。

回転速度も Nm = (1-s) × Ns となり、角速度ωmも、ωm = (1-s)×ωs となります。

 

ここで、電動機の出力とトルク、角速度の関係を見ると、Pm = Tm×ωm なので、

T = Pm / ωm  = (1-s)P / ((1-s)×ωs) = P / ωs となり、
 

P= sV2 / r2 と ωs = 4πf / p を代入すると、

T =  sV2 / r2 / ( 4πf / p ) = sV2p / 4πfr2 

 = sV /(√3 × r2) × √3 × V× p / 4πfr2 

 = I × √3 × V×p / 4πfr2 

となります。

 

トルク一定負荷のもとで電源電圧と周波数を共に5%下げるので、それぞれの場合の電源電圧と周波数、電動機電流を Vo, fo, Io と V5, f5, I5 とすると

T = Io × √3 × Vo × p / (4π×fo×r2 ) = I5 × √3 × V5 × p / (4π×f5×r2)

   =  I5 × √3 × 0.95 × Vo × p / (4π × 0.95 ×fo ×r2)

   =  I5 × √3 × Vo × p / (4π×fo×r2)

となり、 Io = I5 となり、電流は変わりません。

選択肢1. 72

電流は変わらないため、80[A]のままです。

この選択肢は間違いです。

選択肢2. 76

電流は変わらないため、80[A]のままです。

この選択肢は間違いです。

選択肢3. 80

電流は変わらないため、80[A]のままです。

この選択肢が正解です。

選択肢4. 84

電流は変わらないため、80[A]のままです。

この選択肢は間違いです。

選択肢5. 88

電流は変わらないため、80[A]のままです。

この選択肢は間違いです。

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03

三相かご形誘導電動機に関する問題です。

条件から励磁電流、一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても特性検討が出来ることから、

電圧降下を考慮しなくてもよいと考えます。

漏れリアクタンスを省略しても特性が維持できることから、

周波数も影響を出すほど下げていないことが分かります。

よって、80Aのまま維持しています。

選択肢1. 72

誤:変化するほどの影響を与えていません。

選択肢2. 76

誤:変化するほどの影響を与えていません。

選択肢3. 80

正:条件から電流値を変えるほどの変化を与えていないことが分かります。

選択肢4. 84

誤:変化するほどの影響を与えていません。

選択肢5. 88

誤:変化するほどの影響を与えていません。

まとめ

三相かご形誘導電動機に関する問題でした。

条件から≻≻がある為、圧倒的に差がありますので、

変化を無視しても差し支えないことだと考えられます。

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