第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和7年度(2025年)上期
問32 (電力 問10)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和7年度(2025年)上期 問32(電力 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

地中送電線路に使用される各種電力ケーブルに関する記述として、誤っているものを次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • OFケーブルは、絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルである。OFケーブルには油通路が設けられており、絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。
  • CVケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで、熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。
  • CVケーブルは、OFケーブルと比較して給油設備が不要であり、保守性に優れている。一方で、水トリーの発生による絶縁劣化があるため、CVケーブルには金属シースや遮水層を設ける場合がある。
  • CVTケーブルは、単心CVケーブル3条をより合わせたトリプレックス形CVケーブルであり、3心共通シース形CVケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに、ケーブルの接続作業性がよい。
  • OFケーブルは、油圧の常時監視によって金属シースや鋼管の欠陥、外傷などに起因する漏油を検知することで、油圧の異常低下による絶縁破壊事故の未然防止を図ることができる。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、地中送電線路に用いられる各種電力ケーブルの構造や特性、保守方法について理解しているかを確認します。
OFケーブルやCVケーブル、CVTケーブルは、それぞれ絶縁方式や構造が異なり、必要な付帯設備や保守性、電流容量などに特徴があります。
これらの基本的な性質を踏まえて、記述の正誤を判断します

選択肢1. OFケーブルは、絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルである。OFケーブルには油通路が設けられており、絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。

OFケーブルは、絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルです。
油通路を設けて絶縁油を加圧することで、ボイドの発生を防ぎ、絶縁強度を維持するため、給油設備が必要となります。
この記述は正しい内容です。

選択肢2. CVケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで、熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。

CVケーブルの絶縁体である架橋ポリエチレンは、架橋反応により分子が立体網目構造となり、耐熱性が向上します。
しかし、これは熱可塑性が向上するのではなく、むしろ熱硬化性の性質をもつようになる点が特徴です。
したがって、この選択肢は誤りです。

よってこの選択肢が正解です。

選択肢3. CVケーブルは、OFケーブルと比較して給油設備が不要であり、保守性に優れている。一方で、水トリーの発生による絶縁劣化があるため、CVケーブルには金属シースや遮水層を設ける場合がある。

CVケーブルは給油設備が不要であり、OFケーブルに比べて保守性に優れています。
一方で、水トリーによる絶縁劣化が問題となることがあるため、金属シースや遮水層を設けて対策を行う場合があります。
この記述は正しい内容です。

選択肢4. CVTケーブルは、単心CVケーブル3条をより合わせたトリプレックス形CVケーブルであり、3心共通シース形CVケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに、ケーブルの接続作業性がよい。

CVTケーブルは、単心CVケーブルを3条より合わせた構造をもつケーブルです。
3心共通シース形と比較して放熱性がよく、熱抵抗が小さいため電流容量を大きくでき、接続作業性にも優れています。
この選択肢は正しい記述です。

選択肢5. OFケーブルは、油圧の常時監視によって金属シースや鋼管の欠陥、外傷などに起因する漏油を検知することで、油圧の異常低下による絶縁破壊事故の未然防止を図ることができる。

OFケーブルでは、油圧を常時監視することで、金属シースや鋼管の欠陥、外傷などによる漏油を検知できます。
これにより、油圧低下に起因する絶縁破壊事故を未然に防止することが可能です。
したがって、この選択肢は正しい記述です。

参考になった数13

02

各種ケーブルの性質や使い方についての設問です。

ケーブルの場合、電流を通す本体:心線の材料・構造に加えて、その周囲を囲む絶縁体の性能について問われることが多いです。

特に、電気を外に漏らさない絶縁性能と、電流を流したときに発生する熱に耐え、除去する耐熱性が問われます。

選択肢1. OFケーブルは、絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルである。OFケーブルには油通路が設けられており、絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。

OFケーブルは、Oil Fillケーブルのことで、絶縁体として油をしみこませた紙を用いています。

給油設備を備えることにより、常に油に圧力を与え、絶縁性を維持しています。

そのため、油圧を測定することにより油の漏れを検出し、絶縁が失われたことを検知することができます。

また、長距離を傾けた状態で(高低差のある状態で)設置すると、油が偏ることにより、絶縁が失われることがあります。

 

この選択肢は正しいです。

選択肢2. CVケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで、熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。

CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル 、架橋=Crosslinked ビニル=vinyl よりCV) は、油は使わず、架橋ポリエチレンを用いて絶縁しています。

架橋ポリエチレンは、通常のポリエチレンの分子構造に架橋処理を行うことによって耐熱性を向上させた絶縁材料です。

向上したのは耐熱性で、熱可塑性ではありません。

 

熱可塑性=熱で柔らかくなる、なので、電流を流すことにより熱が発生する電線の絶縁材としては、望ましい性質ではありません。

もちろん、配線の作業性を考えるとある程度柔らかいことも有利なのですが、配線時の作業よりもその後の使用時・通電時の絶縁性・安全性のほうが重視されます。

昨今のリサイクル意識に関連して、CVケーブルの廃棄・再利用時に、耐熱性の高さに起因するリサイクルの難しさがあげられています。

また、水分に触れると発生する、水トリーという現象により、絶縁性が失われることがあります。

 

CVケーブルでは、熱可塑性は向上していないため、この選択肢は間違い、つまりこれを回答とします。

選択肢3. CVケーブルは、OFケーブルと比較して給油設備が不要であり、保守性に優れている。一方で、水トリーの発生による絶縁劣化があるため、CVケーブルには金属シースや遮水層を設ける場合がある。

CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル 、架橋=Crosslinked ビニル=vinyl よりCV) は、油は使わず、架橋ポリエチレンを用いて絶縁しています。

架橋ポリエチレンは、通常のポリエチレンの分子構造に架橋処理を行うことによって耐熱性を向上させた絶縁材料です。

向上したのは耐熱性で、熱可塑性ではありません。

 

また、水分に触れると発生する、水トリーという現象により、絶縁性が失われることがあります。

 

この選択肢は正しいです。

選択肢4. CVTケーブルは、単心CVケーブル3条をより合わせたトリプレックス形CVケーブルであり、3心共通シース形CVケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに、ケーブルの接続作業性がよい。

CVTケーブルは、CVケーブル3本をより合わせたケーブルです。

1本の中に心線を3本入れた通常のCVケーブルと比べ、放熱性が良いです。

また、配線作業が容易です。

 

この選択肢は正しいです。

選択肢5. OFケーブルは、油圧の常時監視によって金属シースや鋼管の欠陥、外傷などに起因する漏油を検知することで、油圧の異常低下による絶縁破壊事故の未然防止を図ることができる。

OFケーブルは、Oil Fillケーブルのことで、絶縁体として油をしみこませた紙を用いています。

給油設備を備えることにより、常に油に圧力を与え、絶縁性を維持しています。

そのため、油圧を測定することにより油の漏れを検出し、絶縁が失われたことを検知することができます。

また、長距離を傾けた状態で(高低差のある状態で)設置すると、油が偏ることにより、絶縁が失われることがあります。

 

この選択肢は正しいです。

参考になった数0

03

地中送電線路に使用される各種電力ケーブルに関する問題で、誤ったものを選択します。

選択肢1. OFケーブルは、絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルである。OFケーブルには油通路が設けられており、絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。

誤:OFケーブルは、絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸透紙絶縁ケーブルになります。

油通路があり、絶縁油の加圧によってボイドの発生を抑制して、絶縁強度を確保するための給油設備が必要になります。

選択肢2. CVケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで、熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。

正:CVケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルになります。

構造が立体的な網目構造で耐熱性に優れています。

選択肢3. CVケーブルは、OFケーブルと比較して給油設備が不要であり、保守性に優れている。一方で、水トリーの発生による絶縁劣化があるため、CVケーブルには金属シースや遮水層を設ける場合がある。

誤:CVケーブルは、OFケーブルと比較して給油設備不要、保守性に優れています。

しかし、水トリーの発生で絶縁劣化がある為、金属シース等で遮水する必要があります。

選択肢4. CVTケーブルは、単心CVケーブル3条をより合わせたトリプレックス形CVケーブルであり、3心共通シース形CVケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに、ケーブルの接続作業性がよい。

誤:CVTケーブルは、単心3条ケーブルをより合わせたケーブルです。

3心共通のものよりも熱抵抗が小さく、電流容量を大きくできます。

選択肢5. OFケーブルは、油圧の常時監視によって金属シースや鋼管の欠陥、外傷などに起因する漏油を検知することで、油圧の異常低下による絶縁破壊事故の未然防止を図ることができる。

誤:OFケーブルは、油圧の常時監視により金属シースや鋼管の欠陥、外相等に起因する漏油を検知して、油圧低下、絶縁破壊事故の未然防止を図れます。

まとめ

各ケーブルに関しての概要をまとめた問題でした。

参考になった数0