第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和8年度(2026年)上期
問24 (電力 問2)
問題文
ある地域の面積が6500km2、平均海抜750mで、この地域の年間降水量を1100mmとしたとき、この地域全体での理論的包蔵水力(電力量換算値[TW・h])として最も近いものを次のうちから一つ選べ。ただし、包蔵水力の計算において、その地域の水の流出係数を1とする。
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問題
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第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和8年度(2026年)上期 問24(電力 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
ある地域の面積が6500km2、平均海抜750mで、この地域の年間降水量を1100mmとしたとき、この地域全体での理論的包蔵水力(電力量換算値[TW・h])として最も近いものを次のうちから一つ選べ。ただし、包蔵水力の計算において、その地域の水の流出係数を1とする。
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この過去問の解説 (2件)
01
求めたいのは「地域全体で1年間に発生する理論上の総電力量 W [TW・h]」です。
水力発電の出力(キロワット)は次の公式で求められます。 P = 9.8 × Q × H [kW] (Q は毎秒の流量 [m3/s]、H は平均海抜 [m] です)
この出力 P に「1年間の時間(8760時間)」を掛け算して年間電力量 [kW・h] を出し、最後に単位を [TW・h](テラワット時)に変換します。
まずは、この地域全体に1年間でどれだけの体積の水が降るかを計算します。
・面積 S = 6500 km2 = 6,500,000,000 m2(65億 m2) ・年間降水量 R = 1100 mm = 1.1 m ・流出係数 = 1(降った雨がすべて川に流れる)
1年間に流れる総水量 V [m3] は: V = 面積 × 降水量 V = 6,500,000,000 × 1.1 V = 7,150,000,000 m3(71.5億 m3)
1年は 365日 × 24時間 × 3600秒 = 31,536,000秒 です。
先ほどの総水量 V を1年の秒数で割ると、毎秒流れる平均の流量 Q が出ます。
Q = V / 31,536,000 Q = 7,150,000,000 / 31,536,000 Q ≒ 226.72 m3/s
水力発電の公式に、流量 Q と平均海抜 H = 750 m を代入します。
P = 9.8 × Q × H P = 9.8 × 226.72 × 750 P ≒ 1,666,392 kW
年間電力量は、出力 P [kW] に1年の時間数 8760 時間(= 365 × 24)を掛けます。
W = P × 8760 W = 1,666,392 × 8760 W ≒ 14,597,593,920 kW・h
ここで単位を [TW・h] に変換します! ・1 TW・h(テラワット時) = 1,000,000,000 kW・h(10億 kW・h)
ですので、kW・h の値を 10億(1,000,000,000)で割ります。
W = 14,597,593,920 / 1,000,000,000 W ≒ 14.6 TW・h
計算結果は約 14.6 TW・h(約 15 TW・h)となるため、選択肢の中で最も近い値は15になります!
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正しい選択肢は「15」です。
この問題は、地域の面積、年間降水量、平均海抜から、理論的包蔵水力を求める計算問題です。
理論的包蔵水力とは、その地域に降った雨水が持つ位置エネルギーを、理論上すべて電気に変えた場合の電力量です。
今回は、年間の水量と水が落下する高さから電力量を計算します。
計算手順
<年間の降水量を求める>
まず、面積と年間降水量をm単位に変換します。
面積=6500km²=6.5×10⁹m²
年間降水量=1100mm=1.1m
年間の水量は、面積に降水量を掛けて求めます。
年間の水量=6.5×10⁹×1.1
=7.15×10⁹m³
流出係数は1なので、降った雨水がすべて利用できるものとして計算します。
<水の質量を求める>
水1m³の質量は約1000kgです。
したがって、
水の質量=7.15×10⁹×1000
=7.15×10¹²kg
となります。
<水が持つ位置エネルギーを求める>
水が持つ位置エネルギーは、次の式で求められます。
位置エネルギー=質量×重力加速度×高さ
重力加速度を9.8m/s²、平均海抜750mを落差として計算すると、
E=7.15×10¹²×9.8×750
=5.25525×10¹⁶J
となります。
<電力量をTW・hに変換する>
1W・h=3600J
1TW・h=10¹²W・h=3.6×10¹⁵J
なので、
電力量=5.25525×10¹⁶÷(3.6×10¹⁵)
≒14.6TW・h
したがって、最も近い値は15TW・hです。
正しい選択肢です。
年間の水量は7.15×10⁹m³であり、これを質量に変換して位置エネルギーを求めると、
E=5.25525×10¹⁶J
となります。
これをTW・hに換算すると、
E≒14.6TW・h
となるため、15TW・hが最も近い値です。
理論的包蔵水力は、年間の水量と落差から、水が持つ位置エネルギーを計算することで求められます。
・地域の面積は、6.5×10⁹m²です。
・年間降水量は、1.1mです。
・年間の水量は、7.15×10⁹m³です。
・平均海抜750mを落差として計算すると、位置エネルギーは5.25525×10¹⁶Jです。
・電力量に換算すると、約14.6TW・hとなります。
なお、理論的包蔵水力は、水のエネルギーをすべて電気に変えられると仮定した値です。
実際の発電では、水車や発電機の損失、利用できない水などがあるため、実際に発電できる電力量は理論値より小さくなります。
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