第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和7年度(2025年)下期
問52 (機械 問10)
問題文
電力変換装置では、各種のパワー半導体デバイスが使用されている。パワー半導体デバイスの定常的な動作に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
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問題
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第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和7年度(2025年)下期 問52(機械 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
電力変換装置では、各種のパワー半導体デバイスが使用されている。パワー半導体デバイスの定常的な動作に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
- IGBTと逆並列ダイオードを組み合わせたパワー半導体デバイスは、IGBTにとって順方向の電流を流すことができる期間をIGBTのオンのゲート電圧を与えることで決めることができる。IGBTにとって逆方向の電圧が印加されると、IGBTのゲート状態にかかわらずIGBTにとって逆方向の電流が逆並列ダイオードに流れる。
- ダイオードの導通、非導通は、そのダイオードに印加される電圧の極性で決まり、導通時は回路電圧と負荷などで決まる順電流が流れる。
- サイリスタは、オンのゲート電流が与えられて順方向の電流が流れている状態であれば、その後にゲート電流を取り去っても、順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる。
- オフしているパワーMOSFETは、ボディーダイオードを内蔵しているのでオンのゲート電圧が与えられなくても逆電圧が印加されれば逆方向の電流が流れる。
- オフしているIGBTは、順電圧が印加されていてオンのゲート電圧を与えると順電流を流すことができ、その状態からゲート電圧を取り去ると非導通となる。
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この過去問の解説 (1件)
01
パワー半導体デバイスとは、電気のスイッチのように、電流を流したり止めたりします。
電気自動車のモーターや家庭用の充電器などの身の回りの機器では、電気を単に流すだけでなく、必要な電圧・電流・周波数に変換する
必要があります。その中心的な役割を担うのがパワー半導体デバイスです。
パワー半導体デバイスには代表的に以下の4種があります。
ダイオード
一方通行の道路のような部品です。基本的に電流を一方向に流し、逆方向には流しません。
例:交流を直流に変換する整流回路
パワーMOSFET
電圧で操作する電気スイッチです。ゲートという端子に電圧を加えるとオンになり、取り去るとオフになります。
例:スイッチング電源、比較的高い周波数での電力制御
IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)
MOSFETと同様に、ゲート電圧でオン・オフを制御します。大きな電力を扱う用途で広く使われてきたデバイスです。
例:産業用モーター、電車、インバーター
サイリスタ
ゲート信号でオンにでき、条件を満たすと、ゲート信号を取り去ってもオン状態を維持します。通常のサイリスタは、ゲート信号
だけではオフにできません。
例:大電力の整流回路、電力制御装置。
記述の通り。分かりづらいかもしれませんので、解説のまとめに補足しました。
IGBTと逆並列ダイオードを組み合わせると、次のように動作します。
IGBTがオン:IGBTの順方向に電流を流せる。
IGBTがオフ:IGBTの順方向電流は遮断される。
逆方向の電圧が印加:逆並列ダイオードが順方向バイアスとなれば、ダイオードに電流が流れる。
つまり、IGBTのゲートで制御できるのは、基本的にIGBT自身の順方向電流です。逆方向の電流は、
逆並列ダイオードが受け持ちます。
<補足>
IGBT単体は、通常、逆方向の電流を流す用途には適していません。
そこで逆並列ダイオードを組み合わせ、反対方向の電流経路を用意します。
記述の通り。これは分かりやすいと思います。
ダイオードは、印加電圧の極性によって導通するかどうかが決まります。
順方向電圧:導通し、順方向電流が流れる。
逆方向電圧:基本的に導通せず、逆方向電流は漏れ電流程度となる。
実際の順方向電流の大きさは、回路の電圧や負荷抵抗などによって決まります。
記述は誤り。よって、これが正解です。
サイリスタは、ゲート信号によってオンにできる半導体デバイスですが、ゲート信号を取り去っても、順方向電流が保持電流以上であれば
オン状態を維持します。
ただし、サイリスタは通常、逆方向の電圧が印加されると逆方向電流を阻止します。
選択肢では「順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる」としていますが、これは誤りです。
なお、サイリスタをオフにするには、通常、順方向電流を保持電流以下に低下させるなどの方法が必要です。
記述の通り。分かりづらいかもしれませんので、解説のまとめに補足しました。
一般的なパワーMOSFETには、構造上、ボディーダイオードが存在します。
そのため、MOSFETがオフであっても、ボディーダイオードが順方向にバイアスされる向きに電圧が印加されると、逆方向の電流経路が
できます。
ただし、ここでいう逆方向とは、MOSFETの通常のチャネル電流の向きに対する逆方向です。
ボディーダイオードの順方向電流が流れる条件であることが重要です。
記述の通り。これは分かりやすいと思います。
IGBTは、ゲートにオン電圧を与えると導通し、ゲート電圧を取り去るとオフになります。
ゲートにオン電圧を印加:順方向電流が流れる。
ゲート電圧を取り去る:順方向電流を遮断する。
このように、IGBTはゲート電圧によってオン・オフを制御できるデバイスです。
<補足>
MOSFETには、構造上、ダイオードとして働く経路があります。
MOSFETがオフでも、このダイオードが導通する向きなら電流が流れます。
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