第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和2年度(2020年)
問45 (機械 問45)
問題文
ただし、等価回路としては一次換算した一相分の簡易等価回路(L形等価回路)を対象とする。
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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和2年度(2020年) 問45(機械 問45) (訂正依頼・報告はこちら)
ただし、等価回路としては一次換算した一相分の簡易等価回路(L形等価回路)を対象とする。
- 一次巻線の抵抗測定は静止状態において直流で行う。巻線抵抗値を換算するための基準巻線温度は絶緑材料の耐熱クラスによって定められており、75℃や115℃などの値が用いられる。
- 一次巻線の抵抗測定では、電動機の一次巻線の各端子間で測定した抵抗値の平均値から、基準巻線温度における一次巻線の抵抗値を決められた数式を用いて計算する。
- 無負荷試験では、電動機の一次巻線に定格周波数の定格一次電圧を印加して無負荷運転し、一次側において電圧[V]、電流[A]及び電力[W]を測定する。
- 拘束試験では、電動機の回転子を回転しないように拘束して、一次巻線に定格周波数の定格一次電圧を印加して通電し、一次側において電圧[V]、電流[A]及び電力[W]を測定する。
- 励磁回路のサセプタンスは無負荷試験により、一次二次の合成漏れリアクタンスと二次抵抗は拘束試験により求められる。
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この過去問の解説 (3件)
01
[1]正しいです。
一次巻線の抵抗測定は、静止状態において直流で行います。
このとき、三相交流の入力端子2つを使用します。
[2]正しいです。
規格で決められた換算式を用います。
[3]正しいです。
無負荷運転では滑りがほとんど0となり、
二次側の抵抗が非常に大きくなることから、
励磁回路のみに電流が流れます。
無負荷損や、励磁インピーダンスを求めることができます。
[4]誤りです。
拘束試験では、定格電圧ではなく定格電流が流れる電圧を印加します。
一次回路と二次回路を一体とした抵抗とリアクタンスが求められます。
[5]正しいです。
励磁インピーダンス(サセプタンス、コンダクタンス)は、[3]の通り、
無負荷試験で求められます。
合成リアクタンス、二次抵抗は、[4]の通り、
拘束試験により求められます。
よって、[4]が正解です。
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02
正解は4です。
1 .→適切です。
一次巻き線の抵抗測定は、直流電源を用いて、電圧降下法やブリッジ法によって測定します。
基準巻き線温度とは、特性値を算出する基準となる温度です。絶縁税量により許容最高温度が異なります。
2 .→適切です。
一次巻線の抵抗は、電動機の一次巻線の各端子間で測定した抵抗値の平均で求めます。
なお抵抗値の計算は、基準巻線温度における一次巻線の抵抗値の決められた数式を用いて計算します。
3 .→適切です。
無負荷試験では、電動機を定格電圧、定格周波数で無負荷運転したときの電圧、電流及び電力を測定します。
電動機は無負荷でも一次巻き線には回転磁界をつくる励磁回路があるため、この励磁電流と励磁損失を求める試験が無負荷試験です。
4 .→不適切です。
拘束試験では、電動機の回転子を回転しないように拘束し、入力電流が定格電流になるように一次電圧を調整します。
このとき一次巻線には、定格周波数の低電圧を印加します。
5 .→適切です。
無負荷試験により励磁電流と鉄損がわかるため、励磁サセプタンスを求めることができます。
また拘束試験では、一次二次の合成抵抗および合成漏れリアクタンスを求めることができます。
さらに一次抵抗は巻線抵抗試験で測定できるため、一次側と二次側の抵抗を分けることができます。
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03
三相誘導電動機の等価回路は変圧器と類似しており、誘導電動機の回転子が停止している時は二次側を短絡した変圧器と同じ等価回路で表すことができます。
この問題で与えられている条件の一次側に換算したL形等価回路は励磁回路を向かって左側に寄せた回路となっています。
今回の問題では三相かご形誘導電動機の等価回路定数の測定に関する記述で誤った記述を選択する形となります。
それぞれの選択肢を見ていきましょう。
一次巻線の抵抗測定は誘導電動機の3端子中、2端子に直流を印可して行います。また巻線には絶緑材料の耐熱クラスが設定されており、75°や115℃などの値があります。よってこの記述は正しいです。
誘導電動機の端子は3端子あり、各端子間の抵抗値は微妙に変化していますので各端子間で測定した抵抗値を平均させて、その測定値と基準巻線温度における基準抵抗値を用いて計算します。よってこの記述は正しいです。
無負荷試験はその名の通り、負荷がかかっていない状態で行う試験であるので定格値で測定するのが前提となります。なので一次側の電圧、電流、電力を用いた試験となります。よってこの記述は正しいです。
拘束試験は電動機の回転子を回転しないように拘束して行う試験で定格電流が1次巻線電流となるような電圧を印可した時の電力を測定する試験で1次側と2次側を一体としてみなします。よってこの記述は誤りです。
無負荷試験では一次側の電圧、電流を測定しているので一次二次の合成漏れリアクタンスも求めることが出来ます。また拘束試験では定格一次電圧を印加するので二次抵抗を求める事ができます。よってこの記述は正しいです。
この問題はかなり難問と言えますし、それほど出題頻度は高くないのでスルーしても構わないかと個人的に思います。ご興味がある方は是非チャレンジしてみてください。
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