第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問18 (理論 問16(b))
問題文
今、負荷抵抗R=320Ω、電流計の内部抵抗Ra=4Ωが分かっている。この回路で得られた負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値V1I1[W]に対して、R[Ω]の消費電力を真値とするとき、誤差率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和5年度(2023年)下期 問18(理論 問16(b)) (訂正依頼・報告はこちら)
今、負荷抵抗R=320Ω、電流計の内部抵抗Ra=4Ωが分かっている。この回路で得られた負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値V1I1[W]に対して、R[Ω]の消費電力を真値とするとき、誤差率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 0.3
- 0.8
- 0.9
- 1
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題を解くポイントは、電流計の内部抵抗がある場合の測定誤差を求めることです。
それでは問題を見ていきましょう。
条件整理をします。
負荷抵抗R = 320 Ω
電流計の内部抵抗Ra = 4 Ω
求めるのは、負荷抵抗の真の消費電力と測定された消費電力の誤差率 [%] です。
1.負荷抵抗の真の消費電力を求めます。
P真 = I12× R ・・・(1)
2.測定された消費電力を求めます。
実際に測定された消費電力は、負荷抵抗Rに流れる電流I1と電圧計が示す電圧V1の積になります。
P測 = V1 × I1 ・・・(2)
3.電流と電圧の関係式を求めます。
電圧V1は電源電圧Eと等しいため、
V1 = E ・・・(3)
電流計に流れる電流I1は次のように表せます。
I1 = Va ÷ Ra ・・・(4)
Va は電流計内部抵抗の電圧降下であるため以下式が成り立ちます。
Va = (R ÷ (R + Ra)) × V1 ・・・(5)
これを(4)に代入すると、
I1 = (V1 × R) ÷ ((R + Ra) × Ra)
I1 = V1 ÷ (R + Ra) ・・・(6)
4.消費電力の計算をします。
(1)に(6)を代入すると、負荷抵抗の真の消費電力P真は
P真 = (320 × V1 × V1) ÷ (324 × 324) ・・・(7)
(2)を用いた測定消費電力P測は
P測 = (V1 × V1) ÷ 324 ・・・(8)
5.誤差率を求めます。
誤差率εは以下の式です。
ε = (P測 - P真) ÷ P真
これを(7)と(8)に代入すると、
ε = ((E × E) ÷ 324 - (320 × E × E) ÷ (324 × 324)) ÷ ((320 × E × E) ÷ (324 × 324))
計算を進めると、
ε = (324 - 320) ÷ 320 × 100
ε = 4 ÷ 320 × 100
ε = 1.25 [%]
正解は1.2%です。
電流計の内部抵抗による誤差を考慮し、真の消費電力と測定された消費電力を比較することで、誤差率を求めました。
一言知識
「測定誤差とは?」
測定器には内部抵抗があり、これが誤差の原因となります。
高精度な測定をするには、この誤差を考慮する必要があります。
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02
消費電力の測定値の誤差率を求める計算問題です。
計算に必要な値と量記号は以下の通りです。
負荷抵抗R:320[Ω]
電流計の内部抵抗Ra:4[Ω]
測定値M:V1I1[W]
真値T:RI12[W] ※問題文の「R[Ω]の消費電力を真値とする」より
誤差率:ε[%]
誤差率はε={(M−T)/T}✕100という公式で求められます。
したがって、
ε={(M−T)/T}✕100
={(V1I1−RI12)/RI12}✕100
={(V1I1−320I12)/320I12}✕100 …①
となります。
ここで、V1を抵抗と電流を使って表すように変形します。
電流計・電圧計・負荷抵抗の閉回路において、V1は次の式で表すことができます。
V1=(Ra+R)I1
=(4+320)I1
=324I1…②
②を①に代入して、誤差率を求めます。
ε={(V1I1−320I12)/320I12}✕100
={(324I1✕I1−320I12)/320I12}✕100
={(324I12−320I12)/320I12}✕100
={(324−320)/320}✕100
=(4/320)✕100
=1.25[%]
選択肢で最も近い値は、1.2となります。
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03
前問からの続きとなり、今回は計測上の誤差率を求めていきます。
誤差率は以下のように定義されています。
・ε=(測定値-真値/真値)×100[%]‥①
※真値:理論上の数値、測定値:計測上の実際の数値
問題文より負荷抵抗R[Ω]の消費電力を計測するに当たって、電流計の内部抵抗Ra[Ω]と負荷抵抗R[Ω]が直列に接続されている状態なので真値と測定値を考慮しなければなりません。
よってそれぞれの値を求めた上で公式に当てはめる事が不可欠となります。
・測定値の消費電力P1=V1I1[W]
・真値の消費電力PR=VRI1[W]
※VRとは負荷抵抗R[Ω]のみにかかる電圧を言い、分圧式を用いて以下のように表せます。
・VR=(R/Ra+R)×V1[V]
上記VRの式を真値の消費電力PRの式に代入します。
・PR=RV1I1/Ra+R
さらに上記式を整理するといかとなります。
・PR=P1R/Ra+R[W]
この上記式に問題で与えられている内部抵抗Ra=4Ω、負荷抵抗R=320Ωを代入して真値の消費電力PRを求めます。
・PR=320P1/4+320=320P1/324≒0.988P1[W]
上記の結果より真値の消費電力PRは測定値の消費電力P1の0.988倍と言えます。
以上の関係性から誤差率εの式を立てます。
・ε=(P1-PR/PR)×100[%]
前述より消費電力P1を基準としていますのでP1を1と見なします。よって誤差率は以下となります。
・ε=(1-0.988/0.988)×100≒1.21[%]
以上の結果より、最も近い値の1.2が適切な解答となります。
この問題は複数の解き方があるので、色々な方法にチャレンジしてみて本番の試験に生かせて頂いたら幸いです。
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